山下徹 「カゴの果実」 油彩 F8 写実絵画(2d-003)
山下徹は昨今ブームの写実画家の中でも、特に人気のある作家の一人として知られています。昨年は日本橋三越の美術サロンで個展も行われ、着実にその評価を高めています。
卓上の果実などの静物画を得意としており、気品のある静謐な画面からは、時を超えた中世の絵画の持つ味わい深い典雅さも滲み出ています。
描かれた果実はまるで今、目の前で時が止まってしまったかのようなみずみずしさを湛えており、艶やかです。またレースの繊細な表現には息を飲んでしまうほどです。
対象の質感をそのまま画面上に表出させてしまう高度な写実表現にはただただ驚嘆してしまいます。
画面から滲み出る古典作品のような荘重さは、空間を豊かに彩ってくれます。飾っていて、とても心地よいです。
時代を超えた普遍性を持つ山下徹の作品の評価は、時流に左右されることなく、今後ますます高まっていくのではないでしょうか。
山下徹(やました とおる)略歴

2015年6月には日本橋三越本店で山下徹の個展が開催されました。
1952年 大阪に生まれる
1977年 東京芸術大学油画科卒業
1979年 東京芸術大学大学院修了(彼末教室)
1988年 毎年東京・大阪など全国各地にて個展
1989年 東京セントラル美術館油絵大賞展招待出品
1990年 東京・広島・佐賀・岡山にて巡回展
1992年 現代絵画TOKYO展出品
1997年 外務省買い上げ
1998年 横浜にて個展
2000年 東京・広島・佐賀・岡山にて個展
2007年 日本橋にて個展開催
2013年 大阪梅田にて個展開催
2016年 日本橋にて個展開催