庚申像≠不動明王
仕事で、気になった作品があったので調べた。
それは軸装の作品で「庚申像」という画題が箱書にあるもの。
絵には不動明王が描かれていたので、庚申=不動明王なのかな?と推測した。
ところが調べてみると、庚申=不動明王ではなく、よく似た「青面金剛」という神様でした。
ものすごくよく似ているので、調べなければ危うく庚申は不動明王の別名だと早合点してしまうところだった、、、
そもそも庚申とは
庚申=こうしん、きのえさる、でつまりは和暦です。十干( 甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と十二支(子丑寅…)の組み合わせで60種類の呼び方で年や日を表します。それはつまり60年(日)周期ということです。
で、それはそうなんですけど「庚申信仰」という中国由来のものがあって、日本でも古くは平安時代から貴族の間で取り入れられていたようです。
その庚申信仰とは「庚申の日の夜に、体内にいる三尸の虫が寝ている間に,天の神様にその人間の悪事を報告しに行く」というもの。なのでそれを避けるために庚申の日は夜通し眠らずに宴会を行うという風習があり、それを庚申講と呼びます。
60日周期でやってくる、庚申の日の夜に庚申講を行うことを、3年続けると記念に庚申塔というものが建てられます。
そこに描かれるのが不動明王によく似た「青面金剛」というわけです。
で、はじめに戻ると、自分がみた「庚申像」という軸装作品はこの図様だったというわけです。
庚申塔にはさまざまな形があるようですが、主に青面金剛を本尊に、また庚申=かのえさる、で猿に因むことから、見ざる言わざる聞かざるの三猿を伴ってあらわされる事が多いようです。
不動明王みたいなのと、三猿が描かれていたら、それは庚申の図だということですね。
勉強になりました。
※以下参考にしました
庚申信仰
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/庚申信仰